2013年1月24日木曜日

ソニーの開発者に聞く,ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T2」。第1世代からズバリ何が変わったのか?_13

。 高橋氏:  そうです。十分に性能が出るなら,できるだけ削っておきたいところで,バランスですね。 :  色といえば,HMZ-T2では,HMZ-T1の「エンハンスフィルタ」が「新エンハンスフィルタ」になりました。 森氏:  「エンハンスフィルタ」に関しては,HMDという製品特有の事情があります。「パネルの映像をレンズ越しに見ている」というところが特殊なところで,ro rmt,レンズは高性能に設計にしているんですが,それでもある種の光学フィルタ的な要素を持ってしまいます。  そこで,その影響を逆手にとって,パネルに出す映像のほうに(影響を)加味することで,最もよく見えるようにしているのです。この部分も高橋が非常に考えて,HMZ-T2で新たに(「新エンハンスフィルタ」として)盛り込んだ要素となっています。 高橋氏:  何かモノを通すと必ずローパスフィルタになるんです。高域(※フーリエ変換的な意味での「高域」のこと)が落ちてしまう(=画像の詳細部分が欠けてくる)んですね。  もちろん,HMZは非常に良いレンズを使っていて,光学メーカーの方に分解してみてもらえばそれは分かってもらえるほどだと思いますが,それでも光学的な周波数特性の落ちはあります。そのため,そこを持ち上げて復元するのが重要なポイントです。  直視型のものとはちょっと考え方が違うんですね。直視型だと,cabal rmt,絵づくりのためにエッジを少し立たせたりしますが,HMZでは「だらだらと落ちる高域を元に戻して補正する」ということをやっています。 森氏:  そこは,HMZ-T1の経験からかなりノウハウが溜まった部分で,(レンズを通した映像の)見え方の傾向が掴めてきましたから,そういう処理を入れることで,見え方をトータルに良くしようと。(前述のとおり)HMZ-T1では素直な絵づくりをやっていましたが,HMZ-T2では絵を見るまでの経路を考えて絵づくりをしているという違いがあります。 :  映像は人が見るものなので,人によっても受ける印象は違いますよね。 高橋氏:  たしかにそうですが,光学はCADである程度シミュレーションできますからね。「光線追跡」などと言いますが,「この光学特性があれば周波数特性はこうなります」ということが計算で分かるので,そこを持ち上げるといういうことができます。  もちろん,シミュレーションだけでやってしまうととんでもないことになるのですが(笑),ひとまず理論に沿って進めて,最後は人間がチューニングしています
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