2013年4月2日火曜日

NVIDIA主催のゲームイベント「GeForce LAN」,上海にてアジア初開催

 2010年4月10?11日にかけて,中国上海でNVIDIA APACが主催する大規模なゲーマー向けイベント「GeForce LAN / NVIDIA Game Festival 2010」(以下,NGF2010)が開催された。GeForce LANは,NVIDIA主催のLANパーティとして知られているが,今回がアジア地域での初開催となるGeForce LANを軸に置き,中国のPCゲーマーに向けたステージイベントや,オーバークロック大会なども加えたものが,NGF2010という位置づけだ。

 4Gamerでは,数回に分けて本イベントの模様をお届けする予定だが,まずは初日となる10日に行われたイベントのオープニングや,会場の様子をお伝えしたい。


 NGF2010が開催されたのは,上海浦柷摔ⅳ胝髲V場(Super Bland Mall)という,ro rmt,ブランドショップが集まるショッピングモール内に設けられたイベントブースである。
 上海浦柷希虿─伍_催に関連して再開発が進む地域。正大廣場は上海の発展を象徴する巨大なショッピングモールで,NGF2010の会場も非常に広い。標準的な体育館二つ分くらいの広さを思い浮かべてもらえれば,だいたい近いだろう。


写真では全景が分かりにくいと思うが,プレイアブルゾーンには約200台のPCが並ぶ。ステージやパートナーの展示ブースを入れると,総計250台くらいのPCがあるのでは,と関係者は話していた
 会場は主に三つのエリアに分けられている。最も面積を占有しているのが,来場者が自由にゲームで遊べる「Playable Zone」(プレイアブルゾーン)と名付けられたエリアで,主催者側の発表によると200台以上のゲーマー向けPCが用意されている。これらのPCには,アジア地域で今も人気が高い「Warcraft III」や,KingSoftが手がける「剣侠情縁3」,PhysXを使用した独自エンジンによるFPSタイトル「Metal Knight Zero」(以下,MKZ)といったタイトルがインストールされていた。
 そのほか,NVIDIA自らが「3D Vision」やテッセレーションの各種デモをインストールしたPCを並べたNVIDIA展示ゾーンや,NVIDIAのパートナーが製品を並べるパートナーゾーンといったエリアが設けられていた。

パートナーの展示ブースにはGIGABYTE TECHNOLOGY,MSIといった,日本でも知名度の高いPCパーツメーカーが製品を展示していたが,とくに目新しいものはなかった。日本企業では富士フィルムがパートナーとして3Dのカメラシステムを展示していた

 主催者側によると,土日両日で5000人の参加者を見込んでいるとのこと。初日の様子を見る限り,5000人以上の人が出入しているように思えたが,実数をカウントしていないらしく正確な人数は分からない。
 一般参加者には入場料が設定されていて,1日のチケットは前売りが30人民元,当日券は50人民元(日本円にして680円強)。当地の物価——例えばホテルのルームサービスで食事を頼んでも,高くて20人民元くらい——からすると高価に思われるので,この参加者の多さには感心させられる。


 会場前方のイベントステージでは午後から,各ゲームタイトルのプレイ時のポイントなどをプロゲーマーやメーカーが解説するセッションが行われていたようだが,残念ながら解説はすべて中国語だったため,詳しい内容は分からなかった。だが当地で人気があるMKZやWarcraft IIIなどのタイトルの解説になると,大勢の人がステージ前に集まり,熱心に聞き入っている様子が印象的だった。APAC地域でPCゲームが盛んな国といえば韓国が代表格だが,中国の市場も着実に大きくなっていることが分かる。


オープニングのプレゼンテーションでは
PhysXやCUDAのパフォーマンスをアピール


Drew Henry General Manager, Desktop GPU Business Unit
 開場後の10時前から始まったNGF2010のオープニングイベントには,米NVIDIAでデスクトップ向けGPUを統括するDrew Henry(ドリュー?ヘンリー)氏が登場。氏は何度か来日しているうえに,見た目にもインパクトがある人物なので,見覚えのある読者は多いだろう。
 氏はDirectXの過去を振り返ったうえで「DirectX 11でサポートされたテッセレーションは,GPUに新たな変革をもたらしゲーミングを変えるだろう」とテッセレーションの意義を強調。「テッセレーションは向こう5年のあいだ,最も重要なテクノロジーになる。『GeForce GTX 480』は素晴らしいテッセレーションのパフォーマンスを持っている」と語り,その例として「Stone Giant」をはじめとするデモを次々と紹介した。

Stone Giantのデモに見入るHenry氏。このデモが非常に好きらしく,2度も再生させていた

 むろん,次世代の技術を強調するだけでは,ゲーマーに対する訴求力は十分とはいえない。とくにAPAC地域でプレイされているゲームタイトルは,DirectX 9に留まるものが多いという事情もある。
 既存タイトルのパフォーマンスがどれくらい向上するのか,その例としてHenry氏は,人気タイトルでGPU PhysXを使っている剣侠情縁3やMKZのデモを紹介し,それぞれ2倍,5倍といった実数を挙げながらGTX 480の性能をアピールしてみせた。


 最後に氏は「GTX 480のローンチをここ中国で宣言できることを幸せに思う。GTX 480では,ジオメトリテッセレーションのパフォーマンスは競合のGPUに対して8倍になっているなど,我々が作ってきたGPUの中では最も速いGPUだ。新しいゲーム,DQ10 RMT,新しい体験もたらしてくれることを確信している」と締めくくっていた。

 当然といえば当然だが,Henry氏のプレゼンテーションに新しい情報というのはなかったものの,GTX 480のローンチを中国のゲーマーに向けて高らかに宣言するという点では,意味があった内容だったのではないかと思う。
 なお,このオープニングイベントの終了後にはAPACのメディア向けに,Henry氏に対するインタビューの時間が設けられ,そこではいくつか興味深い話も出た。これらについては,またあらためて紹介していくことにしたい。


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