2013年2月27日水曜日

[CEDEC 2012]自分の“得意”と“役割”を考えてみてくださいカービィやスマブラの生みの親・桜井政博氏

 国内最大のゲーム開発者向けカンファレンスが,パシフィコ横浜にて8月20日?22日の間に開催されている。セッション数は実に209。いまや国内のみならず,世界屈指の規模のゲーム開発者カンファレンスとなったCEDECだが,その講演の開催初日,一番目の基調講演を行ったのは,「星のカービィ」や「スマッシュブラザーズ」の生みの親として知られるゲームデザイナーの桜井政博氏だ,DQ10 RMT。  桜井氏といえば,上記の大人気シリーズを中心として,数々の名作を生み出してきたゲーム制作者。最近では「」を作り上げ,そして次回作として,「スマッシュブラザーズ」の最新作をバンダイナムコゲームスと共同で開発中であることがのも記憶に新しい。  桜井氏の前に挨拶をしたCEDECの会長?鵜之澤伸氏(バンダイナムコゲームス代表取締役)によれば,なんでも「スマッシュブラザーズ」の最新作を制作するにあたって,桜井氏は,まずオフィス(バンダイナムコ未来研究所)のすぐ側に家を引っ越してくるところから始めたそうで,鵜之澤氏も「彼は非常にこだわりをもってる男です」とコメント。妥協のない仕事ぶりでも有名な桜井氏だが,これはその徹底さの一端を感じさせるエピソードとも言え,とても興味深い。  さて,桜井氏の今回の講演題名は,rmt,「あなたはなぜゲームを作るのか」というもの。日本屈指の……いや,世界屈指のゲームデザイナーの一人と言っても過言ではない桜井氏が,なぜこの時期にこういったテーマを選んだのか。桜井氏はCEDECへの出席もこれが初めてだったそうで,その意味でも開始前から内容に興味をそそられる講演であった。  肝心の講演内容は,桜井氏自身のゲーム業界へ入る経緯とゲーム業界の歴史とをオーバーラップさせる形で進められ,序盤から中盤にかけては,ゲーム業界の歴史と,その時その時の桜井氏自身の話を,その後,次第に氏のゲームに対する考え方や,今回の本題である「なぜゲームを作るのか」にフォーカスしていくといった内容となっていた。  とくに後半は,桜井氏らしい非常に“味のある深い内容”で,幼少期よりさまざまなゲームに触れ,ゲームの発展と共に青春時代を過ごしてきた氏が,社会に出て行くにあたって“仕事”というものをどう捉えたのか。なぜゲームを作るという仕事を選んだのか。「仕事とは」「ゲームとは」,そしてそれらを「社会的役割」という観点から見た場合にどう見えるのか……などなど,聴衆に語りかけるような,いろいろと考えさせられる講演となっていた
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