2012年12月13日木曜日

ViZiMO 3Dゲーム組み立て講座第4回「イベント作成ウィザードの活用とタイマー処理」

 さて,この連載ではまったく使っていませんでしたが,ViZiMOには「イベント作成ウィザード」というものがあり,これを使うと簡単なゲームの仕組みを自動で作ってくれます。最終的には,自分でイベントを組めるようになっていただきたいのですが,よくよく見ると,このウィザードも結構よくできているので,まずはこれを使って大枠を作り,各自で改造という流れもよいかもしれません。

 イベント作成ウィザードで用意されているものには,

の4種類があります。上記のような形式のものであれば非常に手軽に作ることができます。初心者がゲームを作るうえで,非常に便利なものですので,以下に一通り紹介しておきましょう。



ゲームの目的:ほかのプレイヤーより長く生き延びる
事前に用意が必要なもの:なし



 プレイヤー数を選択すると,指定した人数分のプレイヤーキャラクター用のイベントとスコアボードが作成されます。ルールは時間制および体力制です。時間制限を0秒に指定すると,時間制限のない対戦ゲームとなります。
 さて,どうやって体力を削り合うかですが,簡単なのは武器を使うことです。悚菗膜梁悉Δ胜辏啸憨`カを使うなりすれば,イベントなどにとくに処理を加えなくてもそのままゲームになります。ただ,格闘といっても,人間対人間の場合は蹴っ飛ばしてもダメージは与えることができません。バットなどの鈍器は使用可能です。
 大きなダメージを与える武器に爆弾があります。爆弾の使用には若干注意が必要です。プレイヤーに触れると爆発するようにすると,持ち上げて投げることができなくなります。タイマーをセットして,5秒後に爆発など,イベントを組んでください。
 スコアボードで初期体力が1000に設定されていますので,ゲーム内容に応じて変更しましょう。時間と体力を併用してあるので,勝利判定部はやや複雑な感じです。
 ただ,ステージを作って,武器をばらまいて「さあ殺し合ってください」というのは,作るのが簡単で,それなりに楽しめるものになるのですが,ゲームデザインとしては微妙なところもあります。できれば一捻りしたものに仕上げたいところです。













ゲームの目的:ゴールに早く到着する
事前に用意が必要なもの:ゴール用オブジェクトと対戦人数分のプレイヤーを配置しておくこと



 レースゲームはで解説しましたが,ウィザードで作ることもできます。ただし,ゴール判定のオブジェクトが一つなので,一本道タイプ(周回タイプではない)のレースゲームになります。また,なぜか体力メーターも用意されているので,サバイバルレースを前提にしているものと思われます。
 まず,プレイ人数と時間制限を設定します。次にゴール地点の判定用に使うオブジェクトを指定します。指定はほぼこれだけです。例によって,時間制限を0秒に設定すると,時間制限のないゲームにできます。
 適当にコースを作って,ウィザードでイベントをセットすれば,そのままゲームになります,pso2 rmt。この手のゲームは,障害物競争タイプが多いようですね。作り上げるコースによって,それぞれのオリジナリティを出しやすいので,万人向けの題材で,一人プレイとマルチプレイの共用ゲームを作りやすいジャンルでもあります,ドラクエ10 RMT

 このウィザードで作られるゲームは,ゴール判定がプレイヤーとゴールオブジェクトの接触になっているので,自動車などを使った場合,乗り物から降りなければならないという制限があります。ゴール判定を乗り物単位のものに変更するか,ゴールオブジェクトの直前で乗り物を消去して,プレイヤーと判定を取るのがよいでしょう。
 体力勝負の部分が必要なければ,それぞれで改造してみるとよいでしょう。





















ゲームの目的:指定されたアイテムを集める
事前に用意が必要なもの:集めるアイテム全種と最大対戦人数分のプレイヤーを配置しておくこと



 で紹介したリンゴ集めゲームも,このジャンルのゲームとなります。アクションゲームやアドベンチャーゲームっぽい内容にも応用できるものとなっています。なぜか,体力メーターも用意されていますので,格闘ゲームと混ぜた仕様にすることもできます。
 このアイテム集めゲームでは,最大3種類のアイテムを集めるゲームが想定されており,オブジェクトを指定しなければ2種類以下にも対応できます。さらに,アイテムをすべて集めたら終了するかどうかを指定できるのが,これまでのものとの最大の違いです。
 例えば,6個のリンゴを集める場合,リンゴをオブジェクトグループでまとめておき,そのグループを対象とすると,そこに指定されているオブジェクト数だけイベントが作成されます。個数をカウントして処理するのではなく,個別にイベントを作成しています。自動生成だけあって,これはあまり賢い処理ではありません。オブジェクトで接触時に消去を指定して,オブジェクトグループのカウンタを2個作れば(加点用と個数判定用),カウンタ2個とスコアボード1個で済ませることができる処理ではあります。





 しかし,ある意味,これは非常に重要な機能です。プレイヤー1がなんらかのオブジェクトに接触した場合に,そのオブジェクトとの判定を取るカウンタ,そして対応したスコアボードへの加算,そして各オブジェクトごとのアクション(デフォルトは消去)に対応したイベントが自動的に生成されるのです。ゲームによっては,膨大な数のイベントを羅列せざるをえないこともあるのですが,この機能をうまく使えば,多少は労力が軽減されるかもしれません。



















ゲームの目的:ゴールにボールを入れる
事前に用意が必要なもの:ゴールとなるオブジェクトとボールオブジェクトと最大対戦人数分のプレイヤーを配置しておくこと



 最後に球技タイプです。指定するのは,対戦人数,チーム割,ボールとなるオブジェクト,双方のゴールとなるオブジェクトなどです。
 球技には,サッカーのように指定時間内に入れた得点を競うもの,テニスやバレーボールのように,一定の得点をどちらが先に入れるかを競うもの,野球やボウリングのように既定のターン数で終了するものがありますが,このウィザードが想定しているのはサッカータイプのものです。時間設定を0秒にすれば,時間制限がなくなるので,得点による判定部分を作れば,得点制にするのはそれほど難しくありません。













 以上のように,ViZiMOで実現可能なすべての種類のゲームとはいいませんが,かなりの種類のものが,このウィザードで賄えることはお分かりでしょう。どんなゲームを作りたいかを考え,それが,こういったお決まりの形で収まるのならまず,このウィザードが使えないかを検討したり,雛形を作って拡張していくのもよい方法です。
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